2008年05月28日 20:07

新作音楽動画

新作音楽動画の発表です。

【オリジナル曲】Autumn Evening


曲についての説明はこちらから。


この「Autumn Evening」の曲自体は大昔(多分初代〜2代目のころ)に作ったものです。
BGM集には掲載していないのはこの曲は「あまりにも短すぎてBGMに向いていない」からです。
Spreadism NEO収録版(ジャンル名:Etude)は2回繰り返していますが、これも1回ではあまりに短いためです(2回繰り返してもSpreadismのステージ中一番短い曲なのですが)

今回の「Autumn Evening」は8小節14秒、前後の空白を入れて17秒の作品です。
曲として短いかもしれませんが、極端に短いというわけでもないと思います。
(ここで言う短いとは演奏時間が短いのではなく、小節が少ないという意味)

8小節で完結する曲は、探すとたくさん見つかります。例えば…
・フレールジャック(静かな鐘の音、フランス民謡):♪静かな鐘の音、街の空に〜
・メリーさんの羊(アメリカ民謡):♪メリーさんのひつじ、メェメェひつじ〜
・一週間(ロシア民謡):♪日曜日に市場へ出かけ、糸と麻を買ってきた〜
・シャロム(さよなら、イスラエル民謡):♪どこかでまたいつか、会えるさ〜
・かえるの歌(ドイツ民謡):♪かえるの歌が、聞こえてくるよ〜
・燃えろよ燃えろ(フランス民謡):♪燃えろよ燃えろよ、炎よ燃えろ〜
・Ten Little Indians(10人のインディアン、アメリカ民謡):♪一人二人三人のインディアン、四人五人六人のインディアン〜
・幸せなら手をたたこう(スペイン民謡):♪幸せなら手をたたこう、幸せなら手をたたこう〜
と、枚挙に暇がありません(世界の民謡ばかりになってしまいましたが)
ちょっと足を伸ばして12小節までで完結する曲となると、それこそキリがなくなります。
チューリップやきらきら星、トロイカ、こきりこ節、てぃんさぐぬ花などが12小節ですね。

で、これらの曲よりもっと短い曲は、CMソングに多く見られます。
短い時間(長くて15秒以内)で商品や企業のアピールをしなければなりませんからね。
例えば…
・キリン葉の茶(6〜7小節)
・文明堂(4小節、原曲は「天国と地獄」)
・ホテルサンハトヤ(8小節)
・タマホーム(8小節(4小節?))
・大心中井薬品(8小節、※青森県のローカルCM←知っている人いるかなぁ…)
・日清のラーメン屋さん(2小節!?)
・正露丸(4小節:ボーカルはないですが…)
・日立のこの木何の木(8小節)
などです(小節数は推定)
短くてインパクトのある曲は覚えやすく忘れにくい、それだけ浸透しやすいってことですね。

ちなみに世界で一番短い曲は1秒台だそうです。1.3秒だったか1.6秒だったかは忘れてしまいましたが(おそらく1小節)。
このように世界には短い曲がたくさんあるので、8小節の当作品は特別短いというわけではありません。

また、短い中に情景や心情を収める、というのは昔からあります。
俳句や短歌、川柳や狂歌、都都逸などがそうです。
短歌や狂歌は57577の31音、都都逸は7775の26音、俳句や川柳に至っては575の17音に言葉を当てはめなくてはなりません(俳句や短歌にはさらに季語を入れなくてはいけないというルールも追加)
例えば、
俳句:古池や 蛙飛び込む 水の音
短歌:春過ぎて 夏来るらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山
都都逸:箱根八里は 馬でも越すが 越すに越せない 大井川
などなど。
決められた形式に言葉を当てはめ、かつそれで読んだ人に情景を思い起こさせる、というのはなかなか難しいものです。
まさに「制限の中の美」ですね。

さて今回の作品ですが、全部でメロディは24音あります。
といって、単に24字入れればいいか、というとそうでもありません。
2小節ごとに区切ってみると、最初から5音−6音−8音−5音となります。
今回の曲名が「Autumn Evening」、つまり「秋の夜」なので、最後の5音は「あきのよる」で締めることにしました。
そうすると残り3箇所の19音をどういう言葉で、しかも秋の夜のイメージを出すように埋めていくかが…これが大変ですがなかなか楽しい。
俳句や短歌のような決まった形がなく、曲によって形が変わっていきますから一筋縄ではいきません。

夕焼け空をイメージするもので秋っぽいので5文字の言葉は…うーん…「茜雲」とか良さそうだな、じゃあ「茜雲」で始めて「秋の夜」で終わらせるか。
すると夕暮れから夜への時間経過がほしいなぁ…ならば次の6文字でどう表現する?(実は一番苦労したのがこの6文字の部分)
雲だから「ゆらめく」は変か?「ときめく」だと雲は関係ないし…。
と、あぁだこぅだ考えてようやく完成、というわけです。

そして完成した歌詞を音楽に乗せて聴いてみる…おぉ、なかなかいいんでないの、とちょっと感動。
こういう感動って久方ぶりに体感した気がします。

「これが『秋の夜』なら、他に『春の夜』『夏の夜』『冬の夜』も作れば?」と言われるかもしれませんが、私はそれはナンセンスだと思います。
この曲は8小節でビシッと完結するから美しいのであって、ダラダラと3回も4回も繰り返すのは無粋ではないか、と思うからです。
そうすると、この曲は使いまわしが効きませんね(^^;
まぁ、うちの作品ってそういうものばかりだぁね。


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